オレンジ色のサイドライディング
Sponsored Link
窓際に座り、パンとスープで軽い朝食。空が白み始める。窓から波を確認する。波の状態はかなり良さそうだった。
赤の真新しいボードに黒のウエットスーツ。赤い板を持ったカラスが、急な小道を走って下る。 ポイントに地元以外のサーファーは少ない。
「ラッキー」
波のサイズは、頭を超えていた。早速入水したボクは、パドルで幾つかの波をくぐる。波待ちポイントに先客がいた。アキラだった。
深いうねりが二人を揺らす。うねりは直後にブレイクし、波に変わる。
とアキラがいった。
「暮れるって、まだ登ってもいないし」
とボクが答えた。二人で笑った。
アキラはレギュラーブレイクへ、そしてボクはグーフィーブレイクへ。サイドライディングのその瞬間、波がオレンジ色に輝いた。生まれたばかりの太陽光が、ブレイク直前の波を貫いていた。
Sponsored Link