社員

Sponsored Link

非正規、正規にかかわらず、高校を卒業し、サラリーマンとして生きる道を選択されている方は、大多数であるはずです。会社勤めの方は、人生における多くの時間を、仕事に費やされることでしょう。日々通う会社内では、様々なことが起こり、それによって人生の色合いも大きく変化していくはずです。本カテゴリでは、社員として勤務する人々の人生の断片を描いた作品をご紹介してまいります。彼と彼女は、どのようなことを感じながら、人生を過ごしているのでしょうか。

■作品一覧

ランチタイム

「まったくやってらんねえよ」同僚はそういいながら、ようやくハンバーガーに噛り付いた。昼休みのオフィス街に面したこの公園は、ランチを食べるサラリーマンやOLでいつも混みあう。多くの人生の一シーンが、ひと時ここに集約していた。俺たちは噴水近...

ランチタイム2

「まったくやってらんねえよ」若いサラリーマンが叫んでいた。ベンチに座る男二人連れの一人だ。オフィス街に面した昼休みのこの公園は、ランチを食べるサラリーマンやOLでいつも混みあう。多くの人生の一シーンが、ひと時ここに集約していた。「あそこ...

セキュリティホール

「TCP/IPってのはな」彼の薀蓄が炸裂していた。ちょっと酒が入るといつもこうだ。横文字を並べられても、文系の俺には理解不能だった。仕事の帰り、久しぶりに彼のマンションを訪ねた俺は、なぜかわからないまま、彼から説教に近い講義を受けていた...

ゴールドラッシュ

社長室に呼ばれていた。東京を見下ろすことのできる大きな窓をバックに、社長はプレジデントチェアに座っている。デスクを挟み社長と向き合う位置に、俺は立っていた。「お前、いくつになった?」社長がきいた。その言葉に兄に似た優しさを感じる。「入社...

女心と秋の空

「この界隈の最近の噂、聞いたことありませんか?」豚キムチ丼を勢い良く口に運びながら、部下が言った。今年の春の新入社員だ。「おい、飯粒を飛ばすなよ」すき焼き丼を食べ終えていた俺は、茶を飲んでいた。「さっそうと現れて、チンピラ男を飛び蹴りで...

負け犬

「俺は負け犬さ」ショットバーのカウンターに肩を並べて座る彼がいった。同期入社の営業マンだ。エンジニアの俺とは、違う道を歩んでいた。「決めたのか?」と俺はきいた。「ああ、決めたんだ」スコッチの水割りを飲み干してから彼はそう答えた。黒服のバ...

呑み過ぎた夜のこと

呑み過ぎた夜のことだ。バーを出て同僚と別れた俺は、国道沿いの自動販売機の前で足を止めた。喉が渇いていたため、タクシーをひろう前に何か飲みたかった。炭酸飲料がほしかったが、これ以上、胃を掻き混ぜるのにも抵抗がある。少し考えた俺は、ウーロン...

懐かしい曲と昔の記憶

今日もまた、深夜になってしまった。オフィスを出て駐車場に向かい、車に乗りこんでエンジンをかけた。わずかな振動とともに、エンジンが静かに始動する。次の瞬間、FMラジオから昔懐かしい曲が流れ出した。それはボクがまだ学生の頃、波乗りに行く途中...

春の日のEメール

午前11時台の電車は意外なほど空いていた。ボクのちょうど真正面に座る女性は、手に持つスマートフォンの画面を見ていた。栗色の長いストレートの髪は、小顔の白く美しい顔にとても似合っていた。彼女をやさしくなでる外からの春風が、静かに髪を揺らし...



Sponsored Link


■他カテゴリ作品