運命的な出会い

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「運命的な出会い」という言葉がある。
よく耳にする言葉だ。
ドラマの多くでは
そんなシーンからスタートしたりする。


小さな島国に
これほど多くの人間が住んでいるんだから
そんなことがあったとしても
不思議な話でないようには思う。


でも実際はどうなんだろう?
「運命的な出会い」
という言葉がある。
私にはそんな経験は一度もない。


街角で男女がぶつかって
女性が荷物を落としてしまう。
「大丈夫?」
と男性が荷物をひろい
ふたりの恋が芽生えたりする。
そもそもぶつかる相手の男性が
イケメン長身男の確率ってどうよ?


あり得ないよ。


私だって街角ぐらいは歩く。
街には人があふれかえっている。


でも運命的な出会いはない。
ある日突然アイドルには出会わない。


私はスクランブル交差点で
信号を待っていた。
そこでは数え切れないほどの人が
常に交差する。
まさに人生の交差点だ。


「レイ?」
背後から私を呼ぶ声がする。
運命的な出会いの相手は
まだ私を知らないはずだった。


振り返ると、意外にも
理想に近い長身イケメン男の笑顔。
でも、どこかで見たことがある?
「俺だよ俺!ヒロだよ」
幼なじみのヒロだった。
ハナタレ小僧ではなくなっていた。


運命的な出会いって
幼なじみとの再会でもいいのかな?
そんな考えが脳裏を過った自分に
私はちょっとだけ赤面した。


運命的な出会いは
存在するかもしれない。



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